2021/05/25 00:45

こんばんは。

洋酒専門店 Liquor Tの 高寺 です。

先日、過剰在庫となってしまいました、
【ザ・マッカラン シェリーオーク 12年 700ml(alc 40度)】ですが、
市場価格とかけ離れている売価のため、
緊急で12本限定ではございますが、
当店価格 8,200円→7,700円へと変更致します。

2018年まではラベル下に「TWELVE YEARS OLD」と記載のあった
マッカランを代表する定番品の後継商品となります。

旧ボトルはもはや製造終了していることから
投機(転売)の対象としてその価格は30,000円台となっております。

何がそこまで違うのか?
疑問を解説したいと思います。

当然のことながら、時代の変遷とともに人々の生活様式や食生活、味覚が変化するように
ザ・マッカラン 12年もその味わいがブレンダーによって変化していっていることは否定できません。

熟成年数が12年以上の原酒、スパニッシュオークのシェリー樽100%であることは変わりありません。
ここ何度かのモデルチェンジで味の変化をもたらした最も大きな要因としては、
90年代から醸造に使われてきていた大麦麦芽が、「ゴールデンプロミス種」から、
生産性・病害への耐性の強い「オプティック種」や「チャリオット種」へと徐々に取って代わられてきたからだと考えられます。

また、アルコール度数も43度から40度へと変化しております。
ここで、酒税についても少し簡単に解説を。
酒類の製造もしくは輸入については関税(輸入)と酒税がかかります。
日本の場合、ウイスキー(ブランデー・スピリッツ含む蒸留酒)はアルコール度数が37度未満のものについては
一律、1KL当たり370,000円の課税となり、37度からアルコール度数1度超える度、追加で1KL当たり10,000円増税されていきます。
つまり、40度の場合1KL(ボトル換算約1428本)で400,000円、43度だと430,000円の酒税がかかることになります。
単純に1本あたり21円の節税となります。
そういう事情もあり日本に入ってくるボトルにはアルコール度数40度のもの、43度のもとといった違いのあるボトルが輸入されているのです。
この度数変化はまあ、それが理由ではないとは思いますが、
この2つ(麦芽の変更・度数の変更)が、今までのフルーティーな香りはそのままでゴム臭、硫黄臭が
シェリー樽から強くうつりやすくなっているのではないかと考えられます。

とはいえ、ザ・マッカランがマッカランであると言わしめるあの味わいは健在であると思いますし、
転売目的でもはや手の届かないところに行った旧ボトルを求めるほど(そもそも時間経過とともにいずれ無くなります)
オールドボトルにこだわる必要は無いと思います。

と、力説しておりますが、
要は「一刻も早く現金化しないと嫁に怒られる」ので
皆様のご購入を期待しての値下げ告知ということなのです。

今回ばかりは心底皆様のご来店、心よりお待ち申し上げます(笑)

それではおやすみなさい。