2021/04/23 10:23

こんにちは。

洋酒専門店 Liquor Tの 高寺 です。

本日はまた雑談回です。
最近、時間が余り取れなく、更新も少なく申し訳ございません。

今日はウイスキーの香りと味わいに大きな影響を与える、熟成に用いられる樽についてお話いたします。

ウイスキーの熟成に用いられる樽はすべてオーク(日本語でいう楢(ナラ))が使われています。
世界では数百種類を超えるオークの木があるそうですが、
その中でも「スパニッシュオーク」と「ホワイトオーク」という種類がウイスキーの熟成に多く用いられています。
※最近では日本産の「ミズナラ」も増えてきています。これから期待できますね。

以下に代表的なオークとその特徴を記載いたします。

①ホワイトオーク
アメリカ産のアメリカンホワイトオークが広く流通しています。(ウイスキーでは90%くらいはアメリカンホワイトオークだそうです)
これはバーボンウイスキーやシェリー酒、ワインなどの熟成に広く使われています。
バーボン樽と言われるものはほぼ全てこれで作られているそうです。
バニラやカラメル、ハチミツなどの甘いフレーバー、
アーモンドやヘーゼルナッツなどの香ばしさがウイスキーにうつると言われています。
長期熟成したものにはココナッツミルクのような香味も感じさせます。

②スパニッシュオーク
スパニッシュという名前からわかるように、スペイン産のオークです。
ヨーロッパでは他に「フレンチオーク(③で記載します)」と合わせて2大オークとも言われているようです。
コニャックやブランデー、ワインの熟成に使われています。
この熟成に使用したスパニッシュオークをウイスキーの熟成に使われています。
ワインの熟成で樽内部に漬いたタンニン分やポリフェノールを多く含み、
熟成感を強調して甘くて重みのあるフルーティーさをウイスキーに感じさせます。
他にもこのスパニッシュオークにシェリー酒を詰めて数年置き、樽空けした後にモルトウイスキーを詰めるという使い方もされます。
砂糖漬けの果物の皮やレーズンなどのドライフルーツ、
シナモンや松脂のようなフレーバーを与えると言われています。

③フレンチオーク
ヨーロッパ産オークの二大オークのもうひとつのほうです。
ワイン樽やコニャック樽として使われています。
一方で、スコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーの熟成用にも使われます。
タンニン量が多くスパイシーな香りを与えると言われています。

④ミズナラ(別名:ジャパニーズオーク)
日本固有の希少で高価なオークです。
水分が多く燃えにくいのでミズナラと呼ばれるそうです。
伽羅や白檀といわれるいわゆるお香だったり、一部香水でもある、オリエンタルな香りをまとうと言われています。
最近だと「シーバス・リーガル」で良く目にする名前ですね。
樽の成分がウイスキーに染み出すまでの時間がかかってしまい、
長期熟成のタイプに向いていると言われています。

最近では通常の樽熟成の後に種類の違う樽に詰め替えて、その樽の風味を付ける「ウッドフィニッシュ」呼ばれる手法も増えています。
ウイスキーのラベルに「●●フィニッシュ」とか書かれているのがそれにあたります。
他の樽に詰め替えることで複数の樽の個性が融合して更に複雑な風味を出すことで人気です。

ウッドフィニッシュの期間は蒸留所によりかわりますが数か月~2年間程度が多いです。
同一銘柄でもこのフィニッシュする樽によって全然味が変わったりします。

今日は樽の種類についての内容でした。
次回、また機会があれば、
・ウイスキーの熟成に使われる樽のサイズ
・ウイスキーの熟成に使われる前の樽とその味わい
・その他、樽についての雑学
などブログで書いていきたいと思います。

そういえば、21日に開催された、
グレンリベット公式HPのオンラインセミナー見ましたでしょうか?
https://www.theglenlivet.jp/gd/
上記から一般(専門はバーテンダー用?)登録していくとyoutubeへリンクあるようですので
一度ご覧になっても面白いかと思います。
(ちゃんと日本の方でも話わかるようになっていますので安心してください)

それでは今回はここまでとさせていただきます。

皆様の当ショップへのご来店、心よりお待ち申し上げております。